▶第5回プラチナ・ギルド アワード受賞者のご紹介(2017年度)


私設図書館 本庫 HonCo 代表 天雲 成津子  

長年の公共図書館・大学図書館の司書体験や美術館学芸員としての企画展体験等を踏まえて2014 年秋に私費を投じて会員制の私設図書館を創設。1万冊のこだわりの良書に囲まれた誰もがくつろげる空間は、様々な人々を魅了するコミュニティとしての機能を持ち、多世代の交流に大いに貢献している。 高齢化と過疎化が進む地方都市にあって自身のキャリアとスキルを最大限に活かし「本」という媒体を軸とした地域文化コミュニティ拠点としての特色ある活動は近隣にも新風を巻き起こし、注目される存在。

 


元気!ながさきの会  事務局長 伊藤 登

東京都健康長寿医療センターと豊島区が認知症予防の活動を提唱したのを機に発起人の一人として2001 年に本会を立ち上げた。太極拳/料理/折紙など12 のグループがあり、それぞれが創意工夫を凝らして自主的に運営するスタイルを確立させている。これまでのキャリで得た幅広い知識と経験をフルに活用して強力なリーダーシップを発揮、行政とも良好な連携を保ち高評価を得ているが、敢えて自主活動グループとして活動の自由度を確保している。

会員の多彩なスキルを活用した総合的なマネジメント力の高さが当会の最大の特色で、活発な活動の裏付けとなっている。


NPO法人 街のお助け隊コンセルジュ 代表理事 青木 弘道

銀座で20 年間画廊経営という異色の経歴を持ち、「超高齢化社会に温もりのある街づくり」運動に出合ったのを契機に、地縁も血縁もなかった品川区中延に201010 月、高齢者生活支援団体を立上げた。地域の元気な高齢者(コンシェルジェ)が「日常生活難民」化している高齢者を有償で支援する活動を展開しており、独居や老夫婦のみという世帯が多いこの地域で、コンセルジュ90 名・利用者400 名の規模まで育て上げた。元気な高齢者が生き甲斐をもって世の中に奉仕するこの「有償ボランティア」という自立型システムは、全国各地から視察を受けるなど注目を集めている。

 


特定非営利活動法人 かながわ子ども教室 理事長 鳥居 圭市 

企業のOB 集団を母体に、理科好きの子どもの育成と子どもの健全な人格形成に寄与することを目的に20048 月に設立され、理事長として会員の確保と健康管理に配意しつつ、先生役・地区担当・サポーターと、役割を三分した三位一体の機能的な運営手法を確立。 会員46 名で年間実に150 回近くの教室を開催するなど大きな地域貢献を果たし、子どもたちは勿論、先生方にも大好評を博している。地域の小学生に対象を絞り、学校や保護者との良好な連繋の下に収支面の自立性・継続性を確保しつつ、高齢者のスキル活用・健全な子どもの育成・地域貢献の三つの目的を同時に満足するこの方式は各方面より高い評価を得ている。



      特 別 賞

 

サイエンスカフェ・コスモス  伊藤 俊洋 

北里大学副学長を経て2006 年に定年退職したが、57歳の時に地元相模原市南区の自治会長にとの懇請を受けて引受けて以来19年間の永きに亘って地域の取り纏めに尽力、その功により2016 年に総務大臣表彰を受けた。退職後、専門分野であるアストロバイオロジスト(宇宙生物学者)としてのライフワークを地球環境との闘いととらえ、地球環境保護を目的に未来を託す子どもたちの学習の場として、また市民交流の拠点として2011 年に近隣の空き家を自費で購入、当カフェを個人で開設した。

宇宙から地球を見る・考える“との発想のもとに地球温暖化や核の問題など幅広く啓蒙を行う姿は、正に受賞者ならではであり、非常に独創的で特筆に値する。 

 


おやじの会「いたか」 理事長 大下 勝巳 

40歳の時に川崎市に移住した際に、地域の人々の繋がりの希薄さに素朴な疑問を抱き、以来35年間、地域活性化に率先して取組んできた。「職業人であると同時に家庭人・地域人・個人であること」また「シニアにとって地域社会は仲間作り・居場所作り・出場所作りとして大事」との考えのもと、編集や広報のスキルを活かして父親達に地域の各種行事への参加を促しつつ、参加者の負荷を少なくし参加実感を体感できるような緩やかな組織運営に配慮した結果、現在は川崎市全域に亘って「川崎おやじ連」とし6 ヶ所の任意団体が誕生、ネットワーク化された広域の運動に発展している。こうした市民活動の実績が高く評価され、2017年に政令指定都市の区長では民間人初の区長に登用された。